薫子様、一大事でございます!


ドカドカと物々しい音を立てて入ってきたのは、北見さんだった。


私たちの姿を見て、目を見開く。


「――お前っ!」


瞬きの瞬間に、早川さんが突き飛ばされていた。


「大丈夫か!? カコちゃん」


どうしてここへ?


どうやって……?


状況が飲み込めないまま、何とか頷く。


「よかった……」


私の前にかがみ込んだ北見さんは、私をそっと引き寄せた。


北見さんの腕がふわりと私を包み込む。