薫子様、一大事でございます!


「このまま俺の彼女になってくれない?」

「――はい!?」


今、何て……?


「恋人代行はこれで終わり。ここから先は本物の恋人になってほしいんだ」


驚いて、座ったまま仰け反る。


だって、だって……。


「私は好みの女性のタイプじゃないんですよね?」


依頼に来たときに、確かにそう言ったことは忘れない。

今だって、その言葉が耳に残ったまま。


「好みのタイプではない」


――ほら。
それならどうして。