「これ、悪いな」 額を指差す。 「いえ、そのくらいしかできないんですけど……。あ、そうだ。お腹減っていませんか?」 「……カコちゃんが作ったのか?」 「まさか!」 訝しげな表情を浮かべる北見さんに、両手を大きく振って否定。 「滝山が作った雑炊です」 「それなら戴こうかな」 「どういう意味ですかっ」 クククと笑った後に、突然咳き込む。 「――大丈夫ですか!?」 手をヒラリと返す。 大丈夫だということらしい。