ねぇ、明日香



さよならの言葉も交わさず、あたしは家路に着いた。

乱雑にカバンを放り投げ、ベッドに身を投げる。


ひとりになると、頭の中を思想が駆け巡る。


…自分のせいで人がひとり死んだ。

あたし達の第2の棲み家、学校で。


「うっ…オェッ…」


明日香が飛び降りた屋上

明日香の血が染み込んだコンクリート

明日香の怨念が立ちのぼる校舎


これからあたしは、卒業までこの学校に通わなければならないのだ。

後悔したって今更遅いのだけれど。