くそぉ…そんな裏があったなんて。
頭の良い三鷹くんならやり兼ねない。
まあいいんだけどね…?
三鷹くんがそんなだったのは知ってるし。
「俺なんか作ろうか?」
三鷹くんは不意に立ち上がって言い出した。
え。
三鷹くんって、料理も出来るんですか…。
「あ、じゃあお粥食べたい」
「了解。最初からそうやって素直に甘えとけばいいんだよ」
フッと鼻で笑うように言いながら、三鷹くんはキッチンへと向かって行った。
…まさか三鷹くんにお粥を作ってもらう日が来るとは。
ていうかお母さんどこ行ったんだろ。
あ、パートか。
「お母さんパートだから遅くなるよ」
「…それは残念だね」
そんな声がキッチンから聞こえてくる。
なんだか心がこもってないように思えるのは、きっと話し相手が私だからだろう。
…三鷹くん、いつまでいてくれるのかな。
「なんか、風邪の時って寂しくなるよね」
「…田中さん寂しいの?」
「い、今は三鷹くんいるから大丈夫だけどさ!」
「…じゃあ誰か帰って来るまでいてあげるよ」
その言葉に、私はぎょっと目を見開いた。
え、え!?
冗談とか…じゃないよね!?
ほんと……あの三鷹くんがって感じだ。
「…いや、でもさすがにそれは悪いって、」
「そこは素直にありがとうって言っとけばいいんだよ。ほんと遠慮し過ぎ」
「なっ…」
私はまた反論しそうになるのをぐっと堪えた。
確かに、いてくれるとありがたいのは事実だ。
ここは素直になろう…。
「……ありがとう…。ほんとは、いて欲しいです…」
自分で言って恥ずかしくなった私は熱くなった顔をパタパタと手で仰いで冷ます。
チラリと三鷹くんを見ると、三鷹くんは涼しげに笑顔を見せていた。


