「…俺もこれ飲んだらすぐ失礼するよ」
「あ、分かった。…お母さんならきっとご飯も食べてけって言うと思うけど…」
「それだと田中さんが風呂に入れないでしょ。早く入らないと風邪引くかもしれないんじゃなかった?」
「…そ、そっか…」
本当に…私の事心配してくれてるんだね。
なんか……三鷹くんって普通に優しいのかも。
今更だけどさ。
そして三鷹くんはお母さんが入れたお茶を飲み終わった。
「じゃあ俺が帰ったらすぐ風呂入れよ」
「分かっ、」
「ただいまー」
と、そこでタイミング悪く弟が帰って来た。
弟はそのまますぐにリビングに入って来る。
…ていうかもう部活が終わるような時間!?
まあ今日は放課後に保健室とか行ってたしね。
「…あれ」
と、
三鷹くんを見た弟の優太はきょとんとその場に立ち尽くす。
三鷹くんもそんな優太を見て呆然とした。
あ、紹介した方がいいのか…!
「あ、えと、弟の優太! それで…こっちは友達の三鷹くん」
「…初めまして」
「こちらこそ初めまして」
ご丁寧に軽くお辞儀までして挨拶を交わす優太と三鷹くんを見て、私は戸惑うしかなかった。
まさか今日になってお母さんと優太にまで三鷹くんを会わせる事になるなんて…。
私はハァと溜息を吐きながらソファに座りなおす。
「あら優太、おかえりなさい。洗濯物出しといてね」
「…はーい」
キッチンから聞こえたお母さんの言葉に返事をする優太。
しかしその優太の視線は三鷹くんから一切離れなかった。
…え?
優太何してんの…?
三鷹くんもそんな優太を怪訝そうな顔で見つめる。
「…あなた、性格悪そうですね」
「「え」」
は、はい!?
優太の突然の発言に、私と三鷹くんはぎょっとした。
な、何言ってんの!?
ていうか…優太め、そんな事言ったらこのクズ野郎が…。
「…急に何? 俺の顔に何か文句ある?」
「いや別に。直感です」
「……へぇ、君面白いね」
「それ褒めてるんです?」
「半々かな」
ニッコリと微笑む三鷹くんは、どうやら優太の事を気に入った?らしい。
…いやちょっと待って!?
全く意味が分からないんですけど!!