最低王子と恋の渦






「川平は図々しい方が合ってるんだよ。確かにめちゃくちゃムカつくし死ねとは思うけど」





し、死ねとは思わないで欲しいなぁ…。





そして三鷹くんはグッと力強く、友也を見つめて声を大きくした。











「俺は川平が田中さんにとってかけがえのない人なんだって受け入れてるんだよ。

俺じゃ踏み込めないとこに川平はいるんだって受け入れてるんだ。


だから川平も逃げるなよ。どうせ川平には田中さん渡さないから」








そして三鷹くんはいつもの不敵な笑みを友也に向ける。









「川平に奪わせないくらい田中さんを俺に溺愛させるんだから安心してて、川平」









〝だから遠慮せずにかかってこいよ〟





きっと三鷹くんは友也に気を遣わせないように、

友也と私がいつも通りになれるように、


そういう意味も込めて、言ったんだ。







「あ、安心出来ねーよ!焦る!」



「なら焦ってればいいんじゃない?それで何もしてこないなら俺としては好都合だけど」



「なっ…、こんなことならあの時美乃にキスしてれば良かったああ!」



「ふざけんなそれは反省しろ糞低脳」







頭を抱える友也に冷たい視線を向ける三鷹くん。


…私が知ってる、いつもの光景。




嘘でしょ。

あっという間に戻っちゃった…。







「美乃!今晩俺の家でご飯食ってけよ!母さんもまた呼んでって言ってたし!」



「えっ?…あ、そうなの?」



「俺が踏み込めないようなとこに田中さん誘うとか絶対わざとでしょ川平」



「だって三鷹が焦らすようなこと言ったから…!」



「…三鷹くん、私…」



「はぁ、いいよ田中さん行って来ても。その代わりもしまたキス未遂みたいなことあったら田中さんのこと軟禁するから」



「な、軟禁!?」





させるかよ三鷹ぁー!と、友也が喚くのを三鷹くんが軽くあしらう。




……ほんとに、


三鷹くんには敵わないな。






優しくて、




…大好きだ。