最低王子と恋の渦





「あ、自覚したのは田中さんが振られてからだよ」



「…え、そうなの?」



「うん。気付いた時は相当悔しかったけどね」







そう言う三鷹くんはいつも通りの涼しげな笑顔を私に向けていた。


悔しかったって…。




いや、ていうか。

つまり三鷹くんは


あのお見舞いの時も、

西垣さんの時も、

クリスマスの時も、

正月の時も、


ずっとずっと…


私のことが、好きだったってこと…?




や、やばい。

私、結構色々無神経なこと言ってきちゃったような…。







「ご、ごめん三鷹くん…」



「は?もう慣れたし今更何言ってんの」



「…うぅ」



「…まあ、田中さんのその勘違い癖も少しは俺に責任があるんだろうけどね」



「え?」



「田中さんのことだから、俺に好かれるわけがないとかなんとかずっと自分に言い聞かせてたんじゃないの」






…ず、

…図星…ですね。






「俺も素直じゃなかったし、勘違いに関しては半ば諦めてるよ」










そう言って三鷹くんはニッコリと私に笑いかけた。



…三鷹くんは、藤本さんの件があって…ちゃんと反省してるんだろうな。

自分の気持ちを素直に言ってこなかったことに。



…でもそれは…素直じゃないのは、

私も一緒だ。



肝心な時に素直になれない。




お互いさまだよ。