* * *
「直哉最近あの田中さんって人とよく絡んでるよな」
「…え?」
友達の一人がそんなことを言い出し、俺はきょとんとする。
それに便乗して他の奴らも言ってきた。
「あー確かにな」
「でも三鷹と付き合ってんだろ?」
「俺としては三鷹が付き合い出してホッとするわ~」
「女子の大半が三鷹の虜だもんな~。あんだけイケメンだったら仕方ねぇけどさ」
そういえば田中さん達が付き合ってるってこいつらにも言ってたっけ。
まあ実際付き合い出したみたいだし、このままでいっか。
「で、直哉は田中さん狙ってたの?」
「…えっ?」
ニヤニヤとこちらを見つめる友達。
俺は思わず俯いた。
…違う。
だって元々田中さんは恋人いないっていう仲間で、
初めて話したのだって、俺の兄貴が迷惑掛けてたことについてだったし。
そもそも田中さんはタイプじゃないし。
俺は西垣さんみたいなふわふわした可愛い子がタイプで…。
田中さんを好きになる要素が全くない。
「狙ってないってー!」
「はぁ~?照れなくていいって~」
「そーそー、どうせ三鷹相手だから勝ち目ないし」
「だ、だからまじで違うって!」
……違う。
このモヤっとした気持ちはきっと、仲間だと思ってた田中さんが仲間じゃなくなったからだ。
ちょっと寂しくなってるだけ。
…のはず。


