最低王子と恋の渦






そして時折風を切るような音が聞こえてきて、





「…もしかして…来てくれてる…?」




『当たり前でしょ。助けて欲しくて電話掛けたんじゃないの』









その声は走っているのか、たまに息を切らしてて。



またじわぁっと涙腺がやられていく。





来て欲しいって言う前に来てくれるんだ。


私のことを心配して助けてくれるんだ。


こんなにも気遣って優しくしてくれるんだ。







いつの間にか三鷹くんの存在は私にとって大きくなっていたみたいで。




彼からの優しさが嬉しくて堪らなくなってる。









三鷹くんは優しい人なんだ。

















「…三鷹くん」




『…何?田中さん』




「ありがとう…」




『どういたしまして』











少し笑ってそう返してくれた三鷹くん。



私が心細くならないように電話を切らないでくれてる三鷹くん。



走ってるのにちゃんと優しく応えてくれる三鷹くん。








私も思わず泣きながら笑った。