最低王子と恋の渦








『……もしもし』




「っ、もしもしっ」










2コール目で三鷹くんは出てくれた。



私はそこで泣きそうになるくらい安心してしまった。











『…何、こんな時間に』



「み、三鷹くん…」




『……どうしたの田中さん』









私の異変に気付いたのか、三鷹くんは先程の嫌そうな声から真剣な様子へ変わった。



その声はとても優しくて、




じわぁっと目に涙が溜まる。











「あの……っ、私、初詣に来てて…」



『うん』



「今、帰ってたんだけど…」




『うん』









一つ一つに優しい声で相槌を打ってくれる三鷹くん。



自分がここまで追い詰められてる時にこんなに安心させられたら涙も当然止まらない。



なんとか泣いてることをバレないように喋ってはいるけど、多分もうバレてるんだと思う。









『田中さん今どこ?』




「私、お腹が痛く……って、え?」




『体調崩したんだね。今どこにいる?』




「……あ、神社の近くの公園…」




『公園の名前分かる?』









じわじわとしたお腹の痛みとじんじんする頭痛に耐えながら、私はさっき公園に入る時に見た公園の名前を思い出そうとする。





確か…東海…、








「と、東海公園…?」



『東海原(ヒガシウナバラ)公園ね』






…あ、知ってるんだ。




先程から電話の向こうからガタガタといろんな物音がするような。