僕の朝は親のヒステリックな声から始まる。
朝食は食べずに早めに家を出る。
所詮、僕が居たところで母は何かするわけでもないから。

僕の家族構成は以下の通りだ。
・母親
・祖母

父親は僕が子供の頃に出て行ったらしい。
いわゆる離婚という奴だ。
祖父は他界。全くといっていいほど覚えていない。正直、祖父が飼っていた犬の方が記憶に残っている。

家庭風景は最悪だと思う。

母は情緒不安定で体調もよく崩す。
祖母は何かにつけて父親似に育った僕を非難する。

駅に着くと友人が待っていた。
人数は2人。仲良さそうに話している。

「おはよう」

2人の楽しげな会話を打ち壊す魔の言葉を発するのは僕。笑いながら挨拶を返してきた2人。
どうせ、僕が居なくなれば良いと思ってるんだろ。

電車内での会話は特に無い。

教室に行き、机に向かう途中で交わされる挨拶。
形式的な物だ。他意はない。

担任のHRまでの時間は英単語テストの暗記をする。
担任が入ってきて、話し始める。
HRはものの五分で終わった。

僕はそのまま六時間授業を受けた。

最悪な事に今日はテスト返却日だった。

家に帰り、勿論母にテストを見せる。
そこには最低な点数の羅列がある。

暫くして母の説教が始まった。

「どうしてこんな点数しか取れないの!?」

「ちゃんと勉強しているの!?」

「このままだと赤点よ!?」

キンキン五月蝿い。
母の怒りは点数から僕自身に矛先を変える。
次々と向かいくる言葉の刃に心がズタズタに裂けるのを感じていた。

母の怒りが漸く治まった後、待っているのは祖母の小言だ。

「父親に似てろくでもない子供だ。」

あぁ、五月蝿い。