龍錬花という場所を奪って。 幹部の仲間から切り離して。 大好きだった麗と、離れさせられて。 それなのに、また。 私から、何かを奪おうとするの。 『タイムリミットは、15分ね』 「っ、」 『じゃあ』 それだけで、電話は切れた。 なんなの、ほんと。 「お願いっ、ハルト」 「………」 「今すぐ車、出して……っ!」 私のせいで、誰かが傷つくなら。 「……かしこまりました」 ──私が傷ついた方が、よっぽどマシだったじゃないか。