足と同じくらい、心臓が痛いです…。



パッパー、とクラクションが鳴って、顔を上げると。

後ろに荷台のある、トラックみたいな白い車が私達の前に停まった。

「待たせたなあ! さ、乗れや!」

さっきの黒豚……イヤイヤ、タカさんが車から降りてきて、後部ドアを開けてくれた。

ハルヒコくんは私をそっと座席に下ろすと、隣に乗り込む。

肩と肩が触れるくらいの距離にドキドキしているうちに、タカさんが運転席へと戻った。

「じゃ、行くぞ。ここからだと海野整形外科が一番近いかな?」

「そうですね」

「よし!」

タカさんとハルヒコくんの短いやり取りの後に、車はすーっと滑らかに発進した。

信号で停まる時も、カーブの時も、電車のように静かな走り。

……タカさんも、見た目よりずっと繊細な人みたい。

黒豚なんて、思ってごめんなさい……。



すぐに病院に到着して、少しだけ待たされた後、診察してもらった。

レントゲンも撮ったけど、骨には異常ないみたいで、湿布と包帯を巻かれて診察は終わった。