帰ってきたライオン


明けて月曜日、怒濤の業務が始まった。
ここから年末までが戦いとなる。

とりわけ週明けは仕事量が半端じゃないのに加え、年末の一時帰国に向けて購読している書籍の一時停止措置やら解約やら、おもちゃの注文やら服の注文、はたまた1月からの出向に伴う新規予約なども重なり、

眉間のシワは刻まれっぱなし。

あれ? 顔! 変わったな顔ー……感満載で、この顔が板につくんじゃないかと心配になる。

海外組が一斉に、クリスマス休暇を存分に謳歌するために日本へ帰ってくる。

そうすると私の仕事も忙しくなり、上田さんの仕事も引きずられて忙しくなる。

「まじで、無理。くそが」

「上田さん、ことばことば」

「だって美桜さん、この量はありえないですよ」

まあ、確かにB4にびっしりと、しかも汚い字で細かく指事されていたらそれを入力するのだけでも骨が折れるというものだ。

上田さんの仕事がそれにあたるのでもんくの一つも言いたくなるのだろう。

「ほら、早く終われば例のあの営業部のなんだっけ、あれ、と会えるかもしれないよ」

「あー、あれもういいんです。なんか彼女いるみたいだし」

「あら残念」

「でも、諦めたわけじゃないですけどね」

「奪い取るとか?」

「そんな性悪な性格してません。失礼な」

彼女がいるというその情報はもう少し後でもらいたかった。
できればこの怒濤の仕事が落ち着いてからのほうがよかった。

上田さんに気づかれないように小さく溜め息をついた。
が、上田さんはいつもとは違ってやはりてきぱきと仕事をこなしていた。

いつもだったらなんだかんだもんくを言ったり違う話に脱線してなかなか戻ってこないのに、なぜだか私語をしないようになった。

仕事的にはすこぶるプラスな方向に傾いているんだけど、ちょい物足りなさも感じる。