「好きだからに決まってんだろうが」
鼻から大きく空気が漏れた。
肩の力が抜けた。
身体中の緊張がほどけて自由になった。
楽になった。
そして、悲しくなった。
「謝って」
しかしながらグリーンの攻防は続いていた。
「謝っただろ」
「私じゃない。ばっかじゃないの。美桜に」
「美桜?」
「そう。今感じたこと、美桜は五年も感じてたんだよ。ここにいる木星に気持ちが移ってるのに、ちゃんとはっきりしないから気持ちが切り離されずに残ってる。それ、絶対やっちゃだめなことだよ。この場合、百パー、タイガーが悪い。適当にしてきたんだから。確実に。言い訳する余地、無いし」
「……」
「美桜がどんなに辛かったかよく分かったでしょ。一日でも辛いんだよ、そこ、よくないとこ。私といるなら直していますぐ」
なんか、なんだかよく分からないけどすっきりする人だなってぼんやり思った。
そしてやはりグリーンて強い。
ずばずば行くんだ。
もし、私にこの勢いのかけらでもあれば。
もしかしたら……
今ある未来は変わってたのかもしれない。
いやいやいや。
頭を振った。そんなたられば考えても仕方がない。よく分かってる。
「美桜」
呼ばれた方面には気まずい羊君の顔。
「なに」
「悪かった」
「……うん、もう、聞いたよ」
「いや、本当にまじですまん」
「もういいよほんと。大丈夫だし」
「ダメだよ美桜、もっとがつんと言いなさ、い。そんなんだからいいように振り回されるんだ、よ! そんなんだったらそのうちあんた木星にも振り回される、よ!」
「しませんて俺は」
「木星には聞いて、無いし」
「すみません。それになんかさっきから変な日本語に……」
「私に教えたのはあなただか、ら!」
グリーンが煽ってきたけど私はそれに答えず、手で『もう大丈夫だから』と制す。
「羊君、本当にもういいよ。気持ちわかってくれただけで、それだけでいい。ほんとに。ほんとに大丈夫」
ほんとのほんとのほんとーに。
ふっきれたから。
そしてどどどどどっと疲れた。

