「お前何やってんだよ、サマンサどうした? あっち連絡しても誰も出ねーし、お前俺のこと完無視決めてんだろ? なんでメール見てねーの?」
「関係ないでしょ」
「なんだその言い方、こっちが心配して言ってりゃ……」
「タイガーにそれ言う資格ないと思うけど」
つえー。
グリーン、強い。重たくずっしりした羊君の雰囲気には押されてない。むしろ撥ね飛ばしているようにも見える。
「俺と美桜がどれだけ探したと思ってんの? こっち来てるのなんて知らなかったし、言えよな」
「言うつもりないし! それに探してなんて頼んだ覚え、無いし!」
「だから、来るならなんで言わねーの。いきなりはビビるだろうが」
「いきなり日本に帰って連絡してこない奴になんて何一つ言う必要、無いし!」
あー、またやったんだ。
おんなじことしてるんだね羊君。それは怒るよね、今のところはグリーンに同情する。
悪い癖だよ羊君、自分のことしか見えなくなると周りはほとんどシャットアウトする、それ、絶対やめた方がいいと思う。
「俺はかなり探したぞ。どこ行ったのかわかんねーから一晩中走り回った。行くあてもないお前が来たならどこ行くかって考えて走り回った」
「あっそ」
「あっそって」
「まあまあちょっと二人とも落ち着いてください」
雲行きが怪しくなってきたところで松田氏が割って入った。
「グリーンさんもちょっと落ち着いて」
「落ち着いてる」
「ああ、話と違ってきますよそれじゃ」
松田氏がぽろっとこぼした言葉をすかさず拾って、「どういうこと松田氏それ」つっこんだ。
羊君も右の眉毛を上げながら松田氏の次の言葉を待つ。
「えーと、話というのは……」
ちらっとグリーンを見て、口を膨らまして腕組みをして脚を組んだグリーンは何も言わず、更には自分からは言う気がないと分かると、
「とりあえずこうなった成り行きを説明しますから聞いてください。グリーンさんがなんで日本にいるのかと、俺とグリーンさんが何をしていたかってのをざっと話します」と言った。
「ざっとじゃねーよ、しっかり話せや」
「はは、羊さんはそう来ると思ってました」
言い終わると松田氏は私の方を見て、また、はははと笑った。
「汚らわしいとか思ってますよね成田さんは」
「うん」
「即答ですか。まあいいです、とりあえず話しますね」
そういうと、テーブルに置いてあるコーヒーカップを手に取り、一口口をつけた。
直後、羊君と私の元にも同じくコーヒーが運ばれてきたので、迷わず口をつけた。

