「ってだからそんな話じゃなくてよ、美桜のことはなんでもいいんだよ。問題はなんでお前がグリーンと会ってたんだよって話なんだよ」
「いやだからですね、それはその」
「羊君!!!」
「なに?」と、イライラしく視線を寄越す。
「なに言ってんの?」
「なにってなにが」
焦る私とは反対にいまだに上半身裸で腰にタオルを巻いてあぐらをかいて座っている羊君の目の前には松田氏がきちんと正座をしていて、こたつテーブルの上には湯呑みとビール。
このかんじだとなんか……
「成田さんと羊さんが、俺だけ仲間外れにして、ナカヨク、ヤキトリヲ、タベテイタことを聞いていました」
いやいやいや、ところどころ刺がある言い方はやめて。
私だって言いたかったんだ。でもなかなか言い出せないってこともあるじゃないか。
「美桜、おまえそんなことも言ってなかったのかよって話してたんだよ。仕事帰りに俺から誘って焼き鳥屋行ってきた話とか、そーゆーやつ、話してた。最初は」
「そ、そうなんだー」
やっぱ羊君変わってない。
ずけずけ行く。
きっと相手がどう思ってるかなんて考えてないんだろうし気にもしていないんだと思う。
私がずっとどうしようと考えてたなんて、微塵も思ってない。
「松田氏、ごめん。別に隠すつもりはなかったんだ。こうなんていうのかな……」
「いいですよ、そのくらいのこと気にしてませんから」
ぴしゃりと言いはなった松田氏は私と目は合わせなかった。怒ってるんだろうか。
「怒んなよそんなことで」またしても羊君が横からちゃちゃを入れる。
「怒ってません」
「怒ってんだろうが」
「怒ってないです」
「怒ってる」
「ないです」
「てる」
「ない」
「てる」
「ないですって」
堂々巡りしてる。もちろん最初に折れたのは松田氏だ。

