帰ってきたライオン


それがだ、最初は週末の度のホームステイだったはずなのに、一日増え、更に一日増えと日毎にステイする時間と日にちが増えていき、最終的には一部屋あてがわれて結局五年の月日が経過したというわけだ。

一年目はまだグリーンのこどももお腹の中にいたため、さして大変ではなかったそうだが、生まれてしまってからというもの、目まぐるしい生活に変わった。

赤ん坊一人育てるのに端から女手ひとつじゃ到底まいる。

両親がいるといえど、そんなずっと頼りきるわけにもいかず。

グリーンは必然的に同居人の羊君に頼るようになった。

羊君とてお腹の中にいた時分から知っているわけだ、そりゃ出てきたら可愛いに決まってる。

他人事じゃなくなっていったんだろう。
そして私のことは他人事になっていった。

そのうちこどものほうもいつも一緒にいた羊君のことを自分のパパだと思ってしまい、そのままつらつらと歳月は流れ、どういうわけか詳しく内容も言わないままにいきなり日本へ行ってしまった羊君のことを思い、泣きじゃくっているということだ。

きっとオーストラリアにいるグリーンとそのこどもは羊君に帰ってきてほしいと思っている。

でも、そんなことを言える筋合いでもないってことも分かっているのだろう。

それを考えるとなぜかこちらがもやもやした気持ちになる。

そこをぐっと押し込め、

「で、どうするの? なんで今更になって私の元へ現れたの?」

矢継ぎ早に言い、

「なんで日本に帰ってきたのか教えて。仕事以外のことで」

と、間髪いれず言葉を発し倒した。

ややしばらく言葉を飲み込み、頭の中で言うべき順番を並べ立てているんだろう雰囲気になった。

が、じっくりと待つこつ数分……