帰ってきたライオン


それじゃあ、グリーンっていう人は一体なんなんだと言いう話を振ったら羊君はまん丸いお目目を更にまん丸くして口をぽかんと開けていた。

「オーストラリアで世話になった人って言ったの忘れた?」

「じゃなくて、それは知ってるけど、私のところにもメール来てたからさ。写真だって送られてきてるしBBQみたいなこともしてたでしょ?」

「なんでお前それ知ってんだよ!」

と、どなられましても困ります。
周りの人に頭を下げ、

「羊君、声大きいよ」といなす。

「いや、なんでお前がBBQなことやメールが来てること知ってるんだよ」と小声で話し、体をぐぐっと近付けてきた。

きっとこの感じだと私にも同じメールを送ってきていることにも気付いていなかったんだろう。

なんで気付かないんだろうと思うも、そうか、自分のパソコンをオーストラリアに置いてきちゃうくらいだ、そんなに頻繁には使っていないのかもしれない。

じゃあ、ここで問題が出る。どうやってメールを受け取っているのか。

羊君は胸ポケからスマホを出し、ロックを解除し始めた。

ほら、これだよ。ロックかけていることじたいで怪しさ満点。

そうだよね。パソコンメールもスマホで受け取れるんだよね。そりゃパソコンなくても見れるわ。

「おまえ、俺の電話勝手に見たとか?」

「本気でそれ言ってるならこの網で羊君の頭焼くよ。かま焼きだよ」

「恐ろしいことを言うねえ」

第一に電話を見るなんてことができるわけがない。

さっき自らロックを解除していたのはなんのためだ。

わたしがそのロック解除方法を知っているとでも思っているのだろうか。

ほんと、羊君は頭に浮かんだ事柄をそのまんま口に出しちゃうとこ、昔からぜんぜん変わってない。

裏表の無いってことにおいてはピュアだと思う。