君と星空の彼方

なんで、忘れてたんだろう。


確かあの時、セイヤにアメを舐めさせられて…それで、私…!



セイヤが赤目の理由も教えてもらって…私のお母さんがセイヤを育てたことも、全部教えてもらったのに…!



「セイ…‼︎」


その言葉は、無理矢理遮断された。


だって、口が…動かない。

体だけじゃない、口も、顔も、表情だって表せない。



「…ちょっと厄介だからね、私の能力を使わせてもらったよ。

キナリに代々伝わる…大神になったと同時に与えられる能力、『ゼウス』の力を使ってね」




そう言って、暗闇の中、現れた男の人。

途端、光が大広間につけられた。



真っ黒な髪の毛に紫色の瞳。

スラリとした体で長身の、紳士的な男性が立っていた。


彼の表情は笑っているけれど、きっと彼は…いや、絶対…‼︎




「自己紹介をしようか。

僕は、大神…


このキナリと地球にいる能力者を統治する、最高の地位に立つ者さ」





口角を上げたその笑みは、私たちを凍らせるほど恐ろしかった。

けど、顔もなんにも動かない私たちは、ただ彼を見つめることしかできなかった。




「僕のしていることはもう分かっているのだろう?

僕はね、絶対的な大神になるべく…君たち能力者を潰してる、というわけさ」