卑怯でしょ、それ…!

だって私たちはあのキャリーバッグ3つがなければ、キナリ滞在は終わっちゃう。

こうなったら…


「セイヤ…パパッと取り返すことって…」


小声でそーっと隣のセイヤに話しかける。

セイヤならあのキャリーバッグ、パパパッ!と取って来てくれるはず…!


「できる…けど、

決闘はやる」


「へ⁉︎な、なんで…」


「……このままじゃ、この2つの学園は変わらない。

2つに一族も」



「………え?」


変わらない…って、どうゆうこと?

セイヤにはなにか考えがあるのかな。


けど夜月はオロオロしたままだし。



「………分かった。

その決闘、俺ら3人で受ける」



「ふ…ありがとうございます。

では、早速行きましょう…このホテルに設備されてる

『模擬戦場』へ」






生徒会長は小さく微笑むと、背中を私たちに見せた。


その背中には、とても大きな余裕があるように見えた。



小さく私たちを身て微笑むのは副会長。


確かに…手には大きな太い線の痕赤く残っている。


キマイラだって…『みんなで』倒したんだ。


いくら幻獣使いが星使いよりも弱い、といわれているとはいえ…

私たちと戦うのは、数多くいる幻獣の一族の高校生TOP3。



セイヤや夜月は強いけど…

まだ私は能力…1回しか発動してないし、めちゃくちゃ弱い。



勝てる気がしないよ…!



「大丈夫」


……セイヤ?

私の頭の上に手をおくセイヤ。
ぽんと叩かれた頭の感触は、広くて大きくて、暖かくて…優しい。

ゴツゴツしたその手に、男らしさも感じた。



「いざとなったら…俺が守るし」


「………うん」



な、なにセイヤ相手に私顔熱くなっちゃってるのよ…


でも


まあ、ちょっと安心したかな、なんて。



「………行こう!2人とも!」

「おう!」

「…あぁ」



もちろん…全力で!