「―い、おい、璃乃?」


「……ん?」


「ん?じゃねぇよ、なに急にボーッとしてんだ」


「へへ、ちょっと昔のこと考えてて」


「昔のこと?」


そういえば嵐くん、あの頃は金髪だったなぁ。


今は、「お前が怖がるから」っていって茶髪に落ち着いている。


それが嬉しかったりする。

だって、私のためってことだよね?


「次始業式だぜ、だるいな」


「そうかな?」


ぐでっと机に突っ伏してぶつぶつ文句をいっている。



彩佳とは……、あのあと、彩佳たち家族は引っ越してしまい、あまり話せないまま離れ離れになってしまった。


それが唯一の心残りかもしれない。


メールではなんとなく切り出しにくい話だし。