言う事…睨んでいる顔で言ってくるから

なんか怖い…。

「やるよな?」

返事のない私に念を押すように言う

神崎先輩(兄)。

「…内容次第で」

一応やるとは言わず、もしも無理だった場

合を考えてそう答える私。でも…

「やるよな?」

さっきと同じ事をさっきより怖い言い方と

笑ってない目を向けられ、仕方なく

「はい…やりま…すん。」

と半分半分の思いを伝える。

だけど今度は見えない圧力を感じ、

「やります。」

あぁ…私の人生終わったかもしれない。

先輩にどんな恐ろしい事を言われるかと

構えていた私に言われた事。

「お前もう一度寝ろ。また抱き枕になって

もらう。」

とのこと。

えっ…?抱き枕?しかもまたって何?

さっきも知らないうちに抱き枕にされてた

の…?

「あの…またって何ですか…?」

やっぱり気になって聞いてみた。

「……。」

何も言わない神崎先輩(兄)に神崎先輩(弟)

が代弁して

「帝はデリケートだからちゃんとした場所

じゃないと眠れないんだって。それに抱き枕

がないと眠れないんだよー!!」

「おい、何適当な事言ってんだよ。別に

どこでも眠れるし抱き枕はいい匂いの物

じゃないとダメだから。」

じゃ私はいい匂いの抱き枕なんだ……。

「あの……ベッドならあっちにも…」

「弟と一緒に寝ろってか?しかも、男同士

が一緒に寝てたらキモいだろ。」

それは確かにそう思う

「でもっ!」

「ダメだ、ほらっ!」

ボスン!と私を押し倒す神崎先輩(兄)それ

から先輩の方を向かされて抱きしめられ

る。その瞬間にしたいい匂い。

この匂い好きだな…落ち着く……ってそん

な事言ってる場合じゃない!

異性を抱きしめるなんて!

「ちょっ…もごっ…ふごふごっっ!!」

「ハッ…何言ってんのかわかんねぇよ。

つか何も減るもんねぇんだし別にいいだ

ろーがよ。それにお前いい匂いするし

落ち着くんだよ」

「ふごっ!!」

先輩が抱きしめてるから喋れないの!

それに色々と減るもんだよ!!

ってか匂いかぐなっつーの!

そう思って抵抗しているうちに心地いい香

りと温かい体温に負けていつの間にか私は

眠ってしまった