世間には、吸血鬼の弱点として聖書や、十字架、ニンニク、銀や、日光等が知られている。

が、目の前で首には銀の十字架をかけ日当たりの良い部屋で聖書を読む吸血鬼の青年。

普通なら断末魔の叫びをあげ灰になるはずである。

「何不思議そーな顔してるのかい。君も突っ立てないで座りなよ。ここ日当たりがよくてさ、暖かいよ」

暗に死ねと言っているのではないか?

「普通の吸血鬼に、日光浴は出来ないのでは?何故平気なんです?」

聞いてみた。

「ああ、ワタシの血はそれが弱点では無いだけ。だから日光に当たったくらいじゃ死なないよ」

「もっとも聖書や十字架が弱点の吸血鬼もほとんどいない。あれば信仰心に訴えかけるものだから。ついでにニンニクは食べれるよ。ニンニクは、平気な奴や嫌いな奴がいるから注意だよ」