「またねー」

スタジオを出て、別の部屋へと向かう。

「千花!どうしたんだよ!」

「いいの!これはいいチャンス何だから」

「千花……」

猛ダッシュする私達、その時一瞬眼の前がクラっとした。

「あれ?」

気づいた時、私の目の前に瞬介君の後姿が見えた。

「え?!」

でも、直に元の場面に戻る。

「今のは?」

「どうした千花?」

「な、何でもない」

気のせいかと思い、走るのに集中した。

その日は、本当に大変な一日だった。

お母さんと一緒にラジオ収録を終えたあと、またお母さんの提案で今度は写真撮影。

今まで以上に疲れた私達は、帰りの車の中で寝ていた。

「仲良く寝ていますね」

車の中で、手を繋ぎながら。