「やってらんねぇ」


体操着姿でそう呟いたのは国方だった。


サヤカにどやされ教室に戻ったのはいいが、次の授業は体育。元々体を動かすことが嫌いは国方は前の学校でもサボりの常習犯だった。


「お前、今日も見学?」


そう言ってきたのはこの学校に来て最初に声をかけて来た只野弘。


弘は国方と違いスポーツが好きで、青春ドラマに出てきそうな爽やか少年。


国方とは正反対な弘だが、国方はこの男のことを嫌いではなかった。


「そう、腹いたくて」


「誰もが一度はつく嘘だな」


「ハハハ、ウソ嘘、恋の悩み」