そんな二人の様子を見ていた目が一つ。


「向井さん、そういうことだったんですね」


口の端をニヤリと上げて、いやらしく微笑むのは……、ガリベン君だった。


「おい、お前何やってんだよ」


突然後ろから声をかけられ、「ひゃっ!」と声を上げて飛び上がる。


「『ひゃっ!』じゃねぇよ、きもちわりぃな」


顔をしかめながらそう言ったのは、国方だった。しかし、二人に面識はない。


「だ……、誰ですかっ!」


と声を裏返らせて変な汗をぬぐうガリベン君。