「もしもし?」


すぐに受話器を取る。


「もしもし、りえ?」


「うん。どうかしたの?」


慌てている様子のサヤカに、りえは眉を寄せる。


「あんたのお父さん、交通事故にあったって! 今病院からこっちに電話があった」


「え……?」


突然のことで頭が動かない。


「今からあんたのところ行くから、おじさんの着替えとか用意して出る準備しな!」


それだけまくし立てるように言うと、プツッと電話は切れた。