「だから、お願いだから目を覚まして?


ソラも気を失ちゃって目を覚まさないの。


ソラだけじゃない、サヤカも安田君もよ。それだけ、お母さんは何かを伝えたがってる……」


りえの声だけが、小さく病室にこだまする。



最初、勇気は軽症だと言っていた。


全くどこにも問題はない。なのに目覚めない……。


これも、お母さんがやってる事なの?


不意に、そんな思いがよぎる。


お父さんにも私と同じように何かの夢を見させているの?


だとしたら、どんな夢?


りえは父親の幸せそうな表情を見て、涙が出そうだった。