りえの様子に気づき、国方が聞いて来る。


「夢に出てきたの。この家のチャイムを鳴らすと、あの女の子が出てきて……。中へ引きずり込まれた」


りえの言葉に、国方は言葉を失う。


ただ、りえの肩に手をかけ「危ないから、もう行こう」と促す。


りえと、国方はその家を後にして歩き出す。


けれど、ソラはジッとその場に立ち尽くしていた。


なんだかわからないけど、すごくひき付けられて、その場から動けない。


ソラはチラッと後ろを振り向き、二人が遠ざかっていくのを確認する。


すると、躊躇することなく、その家のチャイムの鳴らしたのだ。


家の中でベルが鳴り響き、少ししてから「はぁい」と言う返事。


そして、キィィと音を立てて、扉が開く……。