「この家。夢の中で見たのと一緒よ。夢の中でチャイムを押したけど、誰もいなかった」


りえはそう言い、再び導かれるように、夢でたずねた家を一軒一軒見て行った。


どの家も、気持ち悪さはあるものの、他に変わった所はどこにもない。


けれど。


この町には何かがあり、人々が住む家をなくしたのだ。


そして、りえは足の向くままに次の家へと歩いていった……。


その家は一見他の家と全くかわらない。


けれど、りえはその一歩前まで来て足を止めた。


今までにない気持ち悪さを感じて、吐き気がする。


「この家、何かあるのか?」