カリカリカリ……。


安田が眠っている横で、ペンが動いた。


カリカリカリカリ……。


それはメモ帳一杯に何かを描いていき、徐々に徐々に大きな音になっていく。


カリカリカリカリカリカリカリ……。


部屋中に響き渡るような音でも、安田は目を覚まさない。


そして、ペンはそれを描き終えると動きを止め、パタリと倒れた。


メモ帳に描かれた絵……。それは髪の長い女の絵だった……。