赤い扉(ホラー)

そんな二人を連れて、サヤカは地下室へと向かった。


階段を一歩下りるたびにタバコのにおいがきつくなり、やっぱりな。


と心の中で呟く。


「あれ、先生」


ソラにやられて顔面を赤く腫らせた国方が、白々しい顔でこっちを見ている。


サヤカはズイッと国方の目の前に顔を近づけ、「タバコ」と一言言う。


「吸ってませんよ」


ニヤリと笑い、そう言う国方。


その瞬間、口の中からタバコの匂いがして、サヤカは軽く顔をしかめる。


「吸殻は?」


「俺、ちゃんと持ってるんで」


そう言い、国方はポケットから携帯用の灰皿を見せた。


それを見た瞬間、サヤカは両目を見開き「おお、ちゃんと捨ててんだ」と国方の肩を叩く。


それを見て、りえが「え? いいの?」と驚いたように聞く。