【短編・番外編】恋の罠〜恋を見つけた時〜



少しだけ開いたドアの隙間から2人の入った社会化室の中を見ると、机に軽く寄りかかる会長と、会長と向かい合うように立つ朱莉の姿があった。


「朱莉は山岸くんが好きなの?」


突然の会長の問いに、朱莉が戸惑った様子で口を開く。


「え…山岸?」


「そう。

山岸くんの髪かっこいいって褒めたんだろ?」


…やっぱり気にしてたんだ、会長。

なんだよ、ちょっと親近感。


「それは…きれいな色に染まってたから…

別に好きとかそうゆうんじゃ…」


「うん。それは分かってるよ。

…だけど、朱莉が他の男に少しでも興味を持ったのが面白くないんだ」


「…やきもちですか?」


「嫉妬…かな。

朱莉の気持ちが俺以外に向けられるのが気に入らない。

…つまらない男だね。幻滅させたかな」


うなだれるように少し俯いた会長に、朱莉は顔を赤くさせて顔を横に振る。

朱莉がこんな風に弱腰になってるところを見ると、本当に会長が好きなんだけど実感させられるんだ。


いっつもあんなに強気なのに。


「あたし、別に先輩に幻滅したりしません…

先輩は先輩だから…」


「そう。

…でも俺はまだ面白くないよ。

朱莉が俺の機嫌直してくれる?」


「え…」


「朱莉からキスして欲しいな」


「えぇ?!」


不意打ちをつかれた朱莉の大声に、覗いてる立場のオレは思わず体をすくませる。


視線の先では、真っ赤になった朱莉が困ったように会長を見つめていた。


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