「小川ヒカリ?!」


翌日の昼休み、いつもつるんでる熊田 充が大声で言った。


「ビビリすぎ(笑)

なんだよ、知ってんの?」


小川ヒカリ…確かに彼女はオレにそう言った。


あの後―――…


『付き合ってくれなくていいんです』

『は?』

『あたしを知ってから答えを出してくれればいいですから。

知らないのに相手を振るなんておかしいと思いませんか?』

『いや…あぁ、まぁ』

『じゃああたしの事ちゃんと知ってください。

あたし、小川ヒカリって言います』


…そう。

つまりはアレだ。

押し切られたんだ。…オレらしく。



「知ってるも何も…小川ヒカリって言ったら1年の中じゃレベル高いって有名だろうが!

入学してきた時結構ブームにもなったんだぞ?!

…告白した奴何人か知ってるけどみんなこっぴどく振られてるし」


…なんだそれ。

自分は振ってきながら(しかもこっぴどく)オレには振る余地も与えないって。


…騙されてんのかな、オレ。


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