主の微笑みは、寸分変わらぬものだった。 だが、僅かに彩を変えた得体の知れぬ液体が、手の内の在る。確かに。 「さあ」 なのに、一片も変わらない。 変化なき事の不気味さが、胸の奥で澱む。 ひくりと、喉が引き攣った。