此音忌譚 ―コノオトキタン―



 唄われるのは、紛れもない真実。過去の白い光の破片。

 するり、と瞳の奥の奥、皮膚と骨に包まれた誰にも窺う事のあたわぬ臓物の中まで忍び込み曝け出す様な、静かな双眸。