【完】ヴァンパイア、かなし

黙ってしまった僕に、赤嶺先輩も笑顔からゆるゆると真顔になり、ついには俯いてしまう。


「……ごめんな、エルザ。私は君を困らせてばかりだ。いつもそういう顔をする。荘司と話している時は、君はもっと楽しそうなのに」


赤嶺先輩は悪くない。これは、僕の中の問題点だというのに、どうして僕は彼女をこんな顔にしか出来ないのだろうか。


「文化祭なんて、プロデュースなんてどうでも良いんだ。私は、私達は、君がもっと楽しそうにしているとこが見たいだけなのに……」


「僕が、楽しそうなところ?」


「ああ。君はどこか、いつも自ら幸せから一歩引いているように見える。その白い肌や金色の髪の毛、赤い瞳に引け目があるのかもしれない。けれど、それは勿体無い気がする。お節介だと思われても仕方ない事だけど」


赤嶺先輩の思う通りだと思う。僕は、自分から一歩引いて、温かい世界から逃げているんだ。


僕は周りの普通の人間達とは違うって自身を卑下してる。それは誰のせいでもないし、ヴァンパイア一族でも普通の人生を送る者は沢山いるのに、僕自身がそうしないだけなのだ。