【完】ヴァンパイア、かなし




秋とはいえ、日差しはまだまだ強く、太陽は僕等の生活を嘲笑うように照っている。


先天性白皮症の僕は、日光で死ぬことは無くとも、長時間直射日光に当たることは危険だと言われている。


その為、同級生達がサッカーをしているのを、校庭の隅っこの日陰で長袖ジャージを羽織って見ていることしか出来ないのだ。


何が楽しくて同級生がキャッキャわいわい体育を楽しんでいるのを眺めてなければならないのだろう、とほうっと呆けていると、不意に隣に座り込む気配を感じた。


そちらをちらりと見ると、その気配の正体にぎょっとしてしまう。


「みっ……満島先輩?」


「よ、エルザ!何だ辛気くせぇ顔してんな。折角のイケメン前髪でボサボサ隠してっからそう見えんのかね?」


彼はやはり遠慮することなく、照る日差しのような笑顔を僕に向け、僕の前髪をわしゃわしゃと撫で付けた。