この人達を何とかしないとこの刺さるような目線を浴び続けなければならない。どうしようか。


そればかり考えているど、赤嶺先輩がもう一歩僕に近付いて、躊躇いもなく僕の顔を覗き込んだ。


昨日あの目の色を見て固まったくせに、怖いもの知らずなのか?それとも、臭いもの程嗅ぎたくなるタイプの変人なのか?


どちらにせよ、僕は近付かれた時の癖で、眼鏡のフレームを直すふりをして目を隠す動作を取る。


「何故隠すんだ?折角、綺麗なのに。気にする気持ちは分からなくも無いけど、気にする必要無いじゃないか」


「は……?綺麗?何をおっしゃってるのですか?」


「まぁいいや。それより君、頼みたいことがあって私はここにいる。場所を変えて話さないか?」


有無を言わさない笑顔に、僕はまた返事に困って固まってしまう。


「全くー、エルザ、お前もっと歯切れ良く返事しろよ!若者だろうが」


「えっ、ちょっと、あの!」


そんな僕の腕を取った満島先輩は、僕の意思はお構い無しにそのまま教室を出ようと足を動かす。


赤嶺先輩も他の同級生達に軽く挨拶をして僕のもう片方の腕を取った。


「まぁ、荘司の言ってることもそこに関しては同意かな。君は、少し子供らしさが無い」


「はぁ……えっと、すみません」


何故僕は謝っているのだろうか。強引に連れ出されているというのに、謝る必要性は無いのに。