僕の部屋の窓からは、外の紅葉が良く見える。
赤く鮮やかに色付いた紅葉は、冬が始まる前に全て散ってしまうのは寂しいものだ。
でも、冬を越えて暖かな季節がやって来れば、木々はまた栄養を蓄えて来年の秋に赤く色付くのだろう。
来年の紅葉が色付く季節は……いや、考えるのは止そう。先のことなんて、僕には考えるだけ無駄じゃないか。
「……っ!ふぅ」
痛い。胸が、顔が、足が、腕が……全てが。それでも、今はこの痛みという恐怖こそ、僕が生きているという証なのだ。
「エルザ、お客さんが来ているよ。通しても大丈夫かい?」
ドアの向こう側、穏やかや父の声が聞こえた。来訪者なんて初めての事。
「はい、通して、大丈夫です」
繕わなくては。幸福そうに笑う僕を。少しでも元気な僕を。
自分の死に向かって運命を受け入れるだけの僕を、日だまりに生きている優しい人に、見せる事は出来ない。


