【完】ヴァンパイア、かなし

「な……何て顔、してるんですか!」


「煩い!き、き、君だって、顔、真っ赤になってるぞ!」


和真先輩に指摘され、お盆をテーブルに置いて早急に顔を触れば、顔が熱い。


きっと和真先輩のが移ったのだ。そうに違いない。


自分も彼女も真っ赤な顔でお互いじっと見つめ合っていると、不意に荘司先輩の笑い声が飛んで来た。


「はははは!付き合いたてのカップルかよ!ひーっ!和真は正直にエルザが綺麗だったから照れたって言えば良いし、エルザは真っ赤な和真に照れたって言えば良いし、お前達素直じゃねーの!」


大爆笑という言葉が似合う程に笑っている荘司先輩の、その発言で更に顔が熱くなる。


それと同時に、胸が痛む。ぴりぴりと、胸のに針が刺さる小さな痛みが広がるのだ。


「いや、うん。これは混んでる理由も分かるよ。君……とても、素敵だよ」


真っ赤な顔を手で覆い隠した和真先輩から聞こえるくぐもったほめ言葉は、僕を痛みと優しさでいっぱいにした。