文化祭を明日に控えた学校は、時計が狂っているのかと思うようにバタバタと人が行き交う。


これが後二日間、しかも、本番ならもっと目まぐるしいくらいに時間が過ぎるのかと思うと、気が狂いそうだ。


「エルザー!悪いんだけどそのゴミ出してきてくれねー?」


「ああ、うん」


クラスで三番目に身長の高い僕は主に教室の高い場所の飾り付けをやっていたが、終わった途端に息をつく時間も無く新しい仕事を与えられる。


しかし、ゴミ出しなら少し騒がし過ぎる教室から出る事が出来ると思い、大きなゴミ袋四つを両手に、僕は教室を出た。


廊下は生徒達によって飾られ、いつもと違う風景に変わっている。


何処にいようと賑やかな学校は、変わった心にはとても鮮やかな風景に見えるけど、日に日に弱っている体には少しだけ重たい。