幻覚だったのだろうか。

 あたしの彼女に対する罪悪感が見せた幻。

 そう思えばそう思えなくもない。

 だってあたしは綾の声さえも、今すぐ思い出せる。

 頭の中で彼女の声を聞くこともできる。

 彼女とはずっと仲のよい親友だったから。

 でも

 あたしは親友だった彼女を裏切ったのだ。