でもさっき会った綾の遺体が動いていたとか、話していたことはさすがに言えなかった。

 だって、傍にいた美智子は気づかなかったのだ。

 あたしの罪悪感が見せた幻なのだ。


 
「綾はあたしたちのこと恨んでいるのかな」


 結婚式場についてから綾の姿を全く見ていない。

 だからあたしは確信していた。


 彼女の声も

 あの触れた感覚も全てが幻なのだ、と。