ずっと[短編]

 でも彼女は別れることになったのだ。

 彼から別れを告げられたらしい。

「写真、見る? もう捨てちゃおうと思っているから」

 あたしは綾を泣かせた男に興味があって


 頷いた。


 彼女から差し出された写真を見て、あたしの心臓が大きな音を立てるのが分かった。

 それはあの山田拓の写真だった。

 彼に彼女がいてもおかしくない。でも、まさかそれがあの子だとは思わなかった。そのとき彼女に打ち明けていてばどんなに良かっただろう。



 でもそんなのは後の祭りだった