『どれだけ俺たちは運命共同体だよ……』



自然と出た笑み。


たぶん、俺は嬉しかった。


二人と同じ学校になれたこと、クラスまで同じになったこと。


幼なじみとして、切っても切れない何かがあるんじゃないかって、そう思ったんだ。


なのに……。


俺たちの関係の溝は簡単には埋まらない。

そう痛感した。


だって晶は入学式から不登校、玲香はたまにしか学校へ来ない。


そんなの、俺がどう頑張ってもムリだ。



『…………』



そんな時だった。

気になる女の子を見つけた。


誰と関わることもせず、黙ってひとりで教室の隅にいる女の子。


川口麻衣。


その姿はずっとそばで見ていた玲香に似ていて。

どうも他人事とは思えなかった。



『川口さんて変わってるよね』

『いつもひとりだし、話してるとことか見たことないよね』



玲香のことは救えなかった。


でもこの子のことは守ってあげたい。


……そんな風に思った。