「玲香のことは俺に任せろ。お前はなにも気にすんな」



ポンと、頭に乗せられた手に、泣きそうになった。



「お弁当、今日……作って来たから……。最後に、食べてくれますか………っ」


「ん。食べる」



明日からは、内田くんには作ってはいけないんだ。


話しかけても、ダメ。

挨拶も、ダメだよね……?


……どうしよう。

とてもじゃないけど、寂しすぎるよ。


どうしてこんなことになるの……。


私には、なにもできないの?



「お前の作るメシ。すげぇ美味いのにな……」



そんなこと、言わないでくださいぃ。



「悪りぃな。ありがとう」



最後のお弁当を受け取って、内田くんが微笑む。


無力な自分の歯がゆさを噛み締めて、私は涙を我慢した。