陽だまりをくれたきみが好き。




「川口……」



苦しそうに早瀬くんに呼ばれた名前。


ポロポロと、目から悲しみの雫がこぼれ落ちる。

クラスメイトはいったい何事かと無言で私たちの方を見ていた。



「泣かないで、麻衣ちゃん……」



美由ちゃんが優しく声をかけながら背中をさすってくれる。

沙都子ちゃんも眉を下げて私を見てくれていた。


……信じられなかった。


あんなに優しかった玲花ちゃんがあんなヒドイことをいとも簡単に言ってのけるなんて。


信じたく、なかった。


だって私の生まれてはじめての友だちは、間違いなく玲花ちゃんだったから。


人と関わりたくないと思っていた私を強引ではあるけれど、知らない世界の扉を開けるヒントをくれたのは紛れもなく玲花ちゃんだったから。